クリスマスキャンペーンの作り方|割引に頼らず売るための4ステップ
最初に、少しだけ本音を話します。
クリスマスキャンペーンで成果が出ない理由は、
ノウハウ不足でも、予算不足でもありません。
「割引しないと売れない」という思い込み。
ほとんどの場合、失敗の原因はこれです。
私はこれまで300社以上のマーケティングを支援してきましたが、
本当に成果を出しているブランドほど、
クリスマスに値下げをしていないという事実があります。
この記事では、
割引に頼らず、きちんと“選ばれる”ためのキャンペーン設計を
4つのステップに分けて解説します。
なぜ、クリスマスキャンペーンは「割引地獄」に陥るのか
12月が近づくと、マーケティング現場は急に騒がしくなります。
- 「他社、もうクリスマス始めてますよ」
- 「去年は割引やってましたよね?」
- 「とりあえず10%オフ、入れますか?」
この空気、覚えがありますよね。
私自身、若い頃はこの流れに抗えませんでした。
そして何度も思いました。
「やってる感はあるけど、手応えがないな…」
理由は単純です。
割引は“考えるのをやめるための手段”になりやすいから。
クリスマスは「安くする時期」ではない
クリスマスは、日常とはまったく違う心理状態が生まれます。
- 論理より感情
- 比較より納得
- 価格より意味
人はこの時期、
「いくら安いか」よりも、
「なぜ、今これを選ぶのか」
を無意識に探しています。
だからこそ、
割引は最も安易で、最ももったいない打ち手になりがちなのです。
割引に頼らず売るための4ステップ
STEP1:誰の、どんな感情を動かすのかを決める
キャンペーン設計で最初にやるべきことは、
施策内容を考えることではありません。
「誰が、どんな気持ちで迷っているか」を言語化することです。
例: ・恋人へのプレゼントで失敗したくない人 ・忙しくて選ぶ余裕がない人 ・無難ではなく「ちゃんと考えた感」を出したい人
この解像度が低いと、
キャンペーンは必ず「それっぽい」ものになります。
STEP2:商品ではなく「使われる瞬間」を設計する
クリスマスキャンペーンで売っているのは、
商品ではありません。
渡す瞬間の空気。
開けたときの表情。
そのあとに流れる時間。
この“情景”が見えたとき、
商品は初めて「選ばれる理由」を持ちます。
STEP3:不安を、聞かれる前に消す
ギフト購買における最大の敵は、不安です。
- 本当に喜ばれる?
- センス悪くない?
- 間に合う?
これらに答えられないキャンペーンは、
どんなにオシャレでも、静かにスルーされます。
レビュー、配送保証、返品条件。
「聞かれそうなことは、先に全部書く」。
これだけでCVRは驚くほど変わります。
STEP4:「今、買う理由」を感情で納得させる
割引は、「今買う理由」の一つにすぎません。
代わりに使えるのは、
- 期間限定という文脈
- 数量の制限
- クリスマス専用の意味づけ
大切なのは、
頭で理解できる理由ではなく、
感情で「今だ」と思える理由です。
4ステップを一枚の地図にすると
感情ターゲットを決める ↓ 情景を描く ↓ 不安を消す ↓ 今動く理由を与える
この順番を守るだけで、
キャンペーンは「売り込み」から「後押し」に変わります。
実務で実際に起きた変化
私が支援したD2Cブランドでは、
値引きも、特別な施策もありませんでした。
やったことは、
- 「贈る相手別」に導線を分けた
- 「◯日までに届く」を強調した
それだけです。
結果、CVRは約1.3倍。
売り方を変えただけで、
人の判断が変わったのです。
初心者がやりがちな3つの落とし穴
① キャンペーン内容から考えてしまう
順番が逆です。
感情 → 設計 → 施策。
② 割引を「安心材料」にしてしまう
楽ですが、来年も同じことをしないと売れなくなります。
③ 「とりあえず感」が出てしまう
ユーザーは、思っている以上に敏感です。
まとめ:クリスマスキャンペーンは「値下げ勝負」ではない
クリスマスは、
人の感情が自然と動く、数少ないタイミングです。
だからこそ、
- 価格を下げる前に
- 声を大きくする前に
- 施策を足す前に
「人の気持ち」を設計してください。
割引に頼らなくても、
ちゃんと売れるキャンペーンは作れます。
内部リンク案
- クリスマス施策、何からやる?初心者でも失敗しないマーケティング設計
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